導入事例 [阿保クリニック]

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阿保クリニック

クラーク入力とシート入力により
親子で“患者さんのため”の医療を実現。

駅前再開発が進むJR姫路駅北口から徒歩5分。商店街を過ぎると、大通りに面してすっきりとした白い2階建てのビルが見えます。理事長の山本次郎先生とご子息で院長の山本秀三先生が二人三脚で運営している阿保クリニックです。

山本家は、ご先祖である第15代当主が姫路藩第5代藩主・酒井忠学公の御典医を務めるという栄誉を担うなど、300年もの長きにわたって医業に携わり続けている由緒正しき家系です。ちなみに理事長先生は第20代、院長先生は第21代当主と言われています。

1日200人以上の患者さんが来院するという同クリニックでは、2012年9月から診療所用医事一体型電子カルテシステム「Medicom-HR Ⅱ」を活用されています。

「紙カルテを探す手間はまったくありません。画面ですぐカルテを見ることができるので大変便利です」と言う理事長先生は、クラーク入力によって電子カルテを利用しています。

また、院長先生は「患者さんの待ち時間を短縮することが第一と考えていますから、診察、処方、会計をスムーズにサポートする『Medicom-HR Ⅱ』は今や不可欠です」と強調します。

導入の効果1

クラーク入力によって、ドクターは患者さんとていねいに話ができる。

同クリニックに「Medicom-HR Ⅱ」の導入を考えたのは院長先生でした。勤務医をしていた姫路赤十字病院で医用画像保管システムと電子カルテを使っていたので、その便利さがよく分かっていたからです。そこで、最初は2つのシステムを同時に導入するつもりでした。

院長先生は「2つのシステム一緒に導入するのでは、スタッフの負担が大変になるだろうと思い、まずは画像保管システムを先に入れて、半年か1年後に十分に使いこなせるようになってから、電子カルテを導入することにしたのです」と振り返ります。

しかし、電子カルテ導入にはやや問題がありました。「キーボード入力はちょっと大変」と言う理事長先生に、どうやって電子カルテを使ってもらえるかということです。そこで、スタッフも入れて全員で相談しました。その結果、「理事長先生にはクラークを付けて電子カルテを利用してもらおう」ということになったのです。

院長先生は「大きな病院では医者がパソコンに向かいっぱなしで、まともに話も聞いてもらえなかった、という不満を患者さんから聞くことがありました。しかし、クラークが横に付いてドクターの指示のもと電子カルテを入力していれば、ドクターは今まで通りに患者さんに接することができるはず」とおっしゃいます。

理事長先生の診察はクラーク入力を行うことで電子化に踏み切り、阿保クリニックでは2012年9月、一挙にサーバとクライアントPCを合わせ9台の「Medicom-HR Ⅱ」を導入しました。

準備期間の4カ月を経て、現在診療時には理事長先生の傍にはクラークがいます。クラークは、保険請求などを通じて医療に関する知識を蓄積している事務スタッフ4名が交代で担っています。「みんなよく勉強してくれているので、大体のことはツーカーで分かるんです」と理事長先生はうれしそうに語ります。それでも、医学用語はできるだけ日本語で話すという気配りをしているそうです。また、入力された内容については診察終了後に理事長先生が確認します。

「クラークを付けると人件費が余計にかかります。でも診察時には入力に気を取られずにきちんと対応できますから、患者さんからは信頼されることになると思います。結果的には患者さんが増えるでしょうね」

理事長先生は、新しい診療スタイルに自信を深めているようです。

業務を効率化することで患者さんの待ち時間を短縮する。

同クリニックでは、外科、整形外科、脳神経外科、胃腸内科、循環器内科など診療科目が多岐にわたっています。そのため、来院患者数は1日平均220人に上ります。さらに、以前の病院でも行っていたノウハウを活かし、軽傷の救急患者の受け入れも積極的に行っているのです。

「診察時間は、話を聞いて薬を出すだけなら数分程度、処置が要る場合には15分もかかることがあり、当然患者さんによって違います。また、救急患者が搬送されて来ることもあります。そんな時でもできるだけお待たせしないように、少しでも待ち時間を減らせないものかと常に考えています」

導入の効果2

「Medicom-HR Ⅱ」に多くのシートを準備。効率化の重要なポイントになった。

そう語る院長先生が、「Medicom-HRⅡ」を導入するに当たって、最も重視したのが入力のスピードアップです。それを可能にする1つの方法として注目したのが、導入前のデモンストレーションで見たクリック選択だけで入力できるシート画面でした。

シート

その良さを体験した院長先生は、メディコム販売代理店に協力してもらい、「Medicom-HR Ⅱ」の導入時には約20種類のシートを用意しました。たとえば「交通事故」のシートを開くと、所見から検査、処置、薬剤、そして病名まですべてが一画面で入力できるようになっています。

「事故の場合は、診断や処置に結構時間がかかる患者さんが多いのですが、シートがあればまず初めに必要な指示は次々と出せます。これは私にとってはかなり楽になりました。また、外来の診療も的確かつスピーディーにできれば、患者さんの待ち時間の短縮にも確実につながります」

会計業務の効率化も実現。保険請求に要する時間は半分以下に。

院長先生は「Medicom-HR Ⅱ」の導入によって、会計業務が非常に効率化されたと明言します。「以前は、私が手書きしたカルテを基に、事務スタッフが会計に必要な情報を改めて入力していました。今は、私がカルテに入力し終えると同時にデータが会計の方に"飛んで行く"わけですから、本当に便利になりました」

これについて理事長先生も「一番ありがたいのは、保険請求が楽になったことです」ときっぱりとおっしゃいます。

「今までは病名をチェックしたり、直したりするので大変でしたが、今はそんな苦労もしなくて済むようになりました。ですから、保険請求に要する時間も、今までの半分以下だと思います」と満足気に話す理事長先生は、クリニック内を動き回って待合室の患者さんに気軽に声をかけていらっしゃいます。

300年の伝統を持ち、IT化という新しい時代へ向かう同クリニックは、「Medicom-HR Ⅱ」の活用によって、これからの新しい歴史を築こうとしています。

地域とともに医療の発展を目ざして
患者さん第一主義に徹し、患者さんに愛されるクリニックを目指す。
医療法人社 阿保クリニック 院長 山本 秀三 氏
──病診連携についてはどのようにお考えですか。

まず急を要する患者さんかどうかを判断し、急を要する場合は、すぐに大きな病院を紹介することが基本的なことだと思います。

幸い、私は姫路赤十字病院に勤務していたので知己の先生が多いですし、大病院に勤務している同期の先生も何人かいますから、紹介しやすいと自負しています。

──かかりつけ医として、一番大事にお考えになっていることは何ですか。

患者さん第一主義に徹するということです。つまり、患者さんが何を求めてクリニックにやって来ているのかを考えることです。話をしたり聞いたりするだけで満足される患者さんもいますし、早く病気を治したくて、どこかの病院を紹介して欲しいと思って来る患者さんもいます。目的はいろいろですから、しっかりと話を聞き、それぞれの患者さんにふさわしい対応をすることが大事だと思います。そうすることで、結果として患者さんに愛されるクリニックになれたらと考えています。

また、私は“特化する” よりも、今のところは“広く全般的に” 診ることをモットーとしています。そうすることで患者さんは「まず初めにここで診てもらいたい」と来院されていると思います。つまり、間口が広いから、来やすいということです。これが「かかりつけ医」の役割であり、大きな存在意義ではないかと思っています。

阿保クリニック職員
(パナソニックヘルスケア株式会社情報誌「Mint(vol.20)」より)
阿保クリニック
設立 2002年4月 阿保病院より阿保クリニックに転換
診療科目 外科・整形外科・脳神経外科・胃腸内科・循環器内科
電子カルテ導入日 2012年9月
診療時間 月火金 9:00~12:30 15:30~18:30
水木土 9:00~12:30
休診日 日曜・祝日
職員数 常勤医師2 名、非常勤医師3 名、
看護師7名(パート含む)、放射線技師1名、
検査技師1名、理学療法士1名、
助手2名、事務10 名(パート含む)